まずはマーケティングを学べ–「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」より
久しぶりの投稿になってしまいました、、。上京学生Kです!
世の中の仕事の全てには消費者がいます。その消費者の要望に応えることでその対価としてお金をもらって商売をしています。
そこでその売上を最大化するためにはいかに消費者の要望に応えるのか?であったり、どうしたら消費者は興味を持つのか?であったりという戦略を考えることが必要になってきます。
この「戦略」を考えることをマーケティングといいます。
しかし「マーケティング」と聞くと難しいことのように感じてしまいがちです。🤔
そこで今回紹介する書籍はコチラ!!
「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」
著者:森岡毅
出版:角川書店
今回はマーケティングの入門をわかりやすく紹介する書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方」のまとめを紹介していきます!
USJの成功の秘密はマーケティングにあり
■ヤバかった!?USJ
現代でこそ人気のテーマパークUSJことユニバーサル・スタジオ・ジャパンは2001年の開業年度には年間1100万人の集客という華々しいスタートを切りました。
しかし、次年度以降その勢いは失速し、2004年には事実上の経営破綻をしました。ここに一石を投じるべく森岡さんが導入したのがマーケティングの考え方だったのです。
■問題の本質を掴めていなかったUSJ
こうした厳しい状況の続くUSJで従業員が考えた主な原因は以下のようなものでした。
①開業翌年に起こった不祥事
②「映画のテーマパーク」というブランドがブレたこと
しかし、これらは真のビジネス・ドライバーではなかったのです!!
そこで彼はマーケターの役割である「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を見極めることを始めました。その上で次の3つ着眼点を置きました。
①ターゲット客層の幅
「映画ファンだけのパーク」という作り手側の無意味なこだわりのせいで、集客がうまくいっていませんでした。そこを以下のように以下の手段を取りました!
- コンセプトを「映画の専門店」から「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」へ
- 「低年齢その子供連れ家族の集客」のための「ユニバーサル・ワンダーランド」を投入
- 目玉となる「ハリー・ポッターの新エリア」に一点集中で巨額の予算を
②TV CMの質
「世界最高を、お届けしたい。」という新しいブランドキャンペーンを立ち上げ継続させました!
③チケット価格の値上げ
大人5800円というチケット価格は低すぎたため、5年間で7400円にしました!
Cf.価格弾力性
1%の値上げに対して、何%が減少するかという反応度を分析すること。
ここで重要になったのが「先にブランド価値を顕著に高めておいて、価格弾力性をできるだけ小さくしておくこと」でした。これを意識することで無事にチケット価格を値上げすることができました!
森岡さんはこのような3つに焦点を当て消費者視点でUSJを改革してきたのですね!✨
問題点を見つけるプロセスはイシューの話にも似てますね!イシューの話はこちらから⏬⏬
マーケティングの本質とは?
ここまでマーケティングと何度も言ってきましたがそもそもマーケティングとはどんなことを言うのでしょうか?
マーケティングとは、「売れる仕組みを作ること」です。
もっと具体的に言い表すと「消費者と商品の接点をコントロールすることで売れるようにすると言うこと」のことです。
■消費者との3つの接点
①消費者の頭の中を制する
◎認知率
「市場を100としたとき消費者が自ブランドを知っている割合のこと」
この認知率を限られた予算の中でどの程度高めるのか、どのように維持するのかが重要になってくる。
「消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージ」
ブランド・エクイティーを築くための一連の活動を「ブランディング」と呼びこれがマーケティングの本質的な仕事になります。
②店頭(買う場所)を制する
◎配下率
「自社ブランドがどれだけ多くの店頭で扱われているのか、その割合のこと」
この配下率はマーケターにとって認知率と並ぶ最も基本的なビジネスドライバーです。配下率を上げるためには流通業者に対して自ブランド商品を扱うメリットをどう作るのかが重要になってきます。
③商品の使用体験を制する
消費者にトライアル(最初の購入)からリピートに繋げ、リピート率を上げることが必要になってきます。このリピート率に大きな影響を与えるのは、購入して実際に使ってみた商品の使用体験なのです!
これらのビジネスドライバーに数値を当てはめて売上を求めていきます。
売上個数 = 消費者の数 × 認知率 × 配下率 × 購入率
この式に平均客単価をかけると売上金額になります!
売上金額 = 売上個数 × 平均価格
このように公式に当てはめて定量的に分析することで自ブランドのどの部分に問題があるのかが客観的にわかるようになるのです!!
「戦略」を学ぶ
なぜ戦略が必要なのか?
前提条件として企業には①達成すべき目的がある。②資源は常に不足している。そのため企業の持つ資源を投資する部分を選択するために戦略的思考が必要になってくるのです。
■目的と目標の違い
目的(Objective):達成すべき使命のことであり、戦略思考の中では最上位の概念
目標(Target):その目的を達成するために経営資源を投入する具体的な的のこと
■戦略と戦術の違い
戦略(Strategy):目的を達成するための資源配分の選択
戦術(Execution):戦略を実行するためのより具体的なプランのこと
ここで、戦略的思考は「目的 → 戦術 → 戦略」と下方展開することで成り立ちます。
■戦略の良し悪しを見分ける4つのS
○Selective(セレクティブ:選択的かどうか?)
やることとやらないことを明確に区別できているかということ。
○Sufficient(サフィシエント:十分かどうか?)
投入される経営資源がその戦局での勝利に十分であるかどうかということ。
○Sustainable(サステイナブル:継続可能かどうか?)
短期ではなく中長期的で維持継続できるかどうかということ。
○Synchronized(シンクロナイズド:自社の特徴との整合性は?)
自社の特徴(強みと弱み、あるいは経営資源の特徴)を有用に活用できているかということ。
この4つの視点から立てた戦略が良いものであるか、悪いものであるかを判断することができます!
マーケティングフレームワークを学ぶ
マーケティングは必ず目的に近いところから順番に考えていきます。
目的(達成すべき目的)→目標(誰に売るのか)→戦略(何を売るのか)→戦術(どうやって売るのか)
次の5つのステップで行っていきます。
STEP1:戦況分析
☆5C分析
Company(自社の理解)、Consumer(消費者の理解)、Customer(流通などの中間顧客の理解)、Competitor(競合する他社の理解)、Comunity(ビジネスを取り巻く地域社会の理解)
の5つの視点から市場がどうなっているのか?どうしたら勝ち目があるのか?を分析していくフレームワークです!
STEP2:目的の設定
ここでは著者である森岡さんが目的設定において意識している3つの点を紹介します。
(1)実現可能性
適切な目的は「高すぎず低すぎず」という相反する条件を満たすもの。実現不可能な目的では戦略の立てようがありません。
(2)シンプルさ
要素がたくさんあって複雑な目標設定では優先順位を明確にしなくてはならなくなり、複雑な戦略や戦術になってしまいがちです。
(3)魅力的かどうか
魅力的な目的の設定には人をやる気にさせる力があります。魅力的な目標を設定すれば人的資源を激増させることができるのです。
STEP3:WHO(誰に売るのか)
◎消費者は選ばないといけない!?
限られたリソースを消費者全員に投下すると、1人あたりのリソースは薄くなってしいます。
cf.ビル・コスビー(コメディアン)の名言
「私は成功のカギというものはわからないが、失敗のカギは知っている。それは全ての人を喜ばせようとすることだ」
■戦略ターゲット
ブランドがマーケティング予算を必ず投下する最も大きなくくりのことで、それ以外の消費者へのための予算は1円も使いません。
■コアターゲット
戦略ターゲットの中で、更にマーケティング予算を集中投下するターゲット消費者の括りのことで、ブランドを購入する必然性が高い消費者グループを設定します。
☆コアターゲットの見つけ方
①ペネトレーション
カテゴリーの中で自ブランドの世帯浸透率を増やせるグループはいないか?
②ロイヤルティ
既存の使用者の中で「SOR(Shere of Requirements)」を伸ばせるグループはいないか?
③コンサンプション
既存の使用者の中で一回あたりの「消費量」を増やせるグループはいないか?
④システム
既存の使用者の中で使用商品の種類(SKU数)を増やせるグループはいないか?
⑤パーチェス・サイクル
既存の使用者の中で購入頻度を上げる(購入サイクルを短くする)理由を作れるグループはいないか?
⑥ブランド・スイッチ
競合ブランド使用者の中にブランド変更の可能性の高いグループはないか?
消費者理解が十分に行えていれば取り上げた6つのどれかが当てはまるということです!
STEP4:WHAT(何を売るのか)
ここでの重要なポイントは「自ブランドの消費者価値を選ぶこと」です。
→そのブランドを購入する際の根源的な理由=WHATでの戦略的な選択
■ポジショニング
ポジショニングとは消費者の頭の中にある競合との相対的な位置付けのことです。
つまり!
消費者の頭の中で、購入の強い理由となるブランド・エクイティーに最も近い場所にポジショニングしているブランドの方が有利であるのです!
STEP5:HOW(どうやって売るのか)
HOWとは?
HOWとはWHATをWHOに届けるための仕掛けのことです。
ここで紹介するのがマーケティング・ミックス(4P)になります!✨
☆マーケティング・ミックス(4P)
Product(製品)Price(価格)Place(流通)Promotion(販促)
これらの4つの領域について、どのように設定するのかを分析するためのフレームワークです。
ここまでマーケティング・フレームワークについてみてきましたが、WHO・WHAT・HOWが全てうまくいくとビジネスは爆発的に成功すると言われています。USJにおいてその事例として挙げられるのが「ハロウィーン・イベント」です!
ぜひ、このUSJのハロウィーン・イベントをWHO・WHAT・HOWに当てはめて分析してみてくださいね!👍
まとめ
「マーケティング」というと難しい言葉のように感じがちですが、身の回りで販売されているすべての商品は戦略的なマーケティングが行われているのです。これだけ身の回りに溢れていることもあってこうした戦略的思考は必要な力になってきます。マーケティングだけでなく、この戦略的思考をトレーニングして全ての仕事に効率的な結果をもたらしちゃいましょう👍